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Krita 3.0.1:新機能とバグ修正

前の投稿 | 2016年9月6日 火曜日 | 読了時間: 10 分 | 次の投稿

Krita 3.0.1はKrita 3.0リリース後の最初のバージョンとなります。我々は新たに新機能追加期間とバグ修正期間を設定した一定のスケジュールを決め、6週間ごとにリリースを行うようにしました。このリリースにはKickstarterの支援による機能のみならず、今年2016年度のGoogle Summer of Codeプロジェクトの最初の成果が含まれているほか、新たな貢献者であるEugene Ingerman、Nishant Rodrigues、Miroslav Talasek、Laurent Jospinによる開発成果、及びDmitryの指導の下開発に参加してくれた学生であるGrigory Tantsev、Alexey Kapustinによる開発成果も含まれています。

https://www.youtube.com/watch?v=9S_x6koOVBo

Nathan Lovato氏による動画

ポップアップパレットにブラシ設定へのアクセスを追加

oncanvas_brush_editor_3

ブラシエディタを開くことなくブラシ設定をいじることができるようになりました。それぞれのブラシエンジンにはそれぞれ独自の設定があります。右下の小さな矢印アイコンをクリックしてブラシ設定の表示非表示を切り替えられます。さらにどのプロパティを表示するかも設定できます。詳しくはドキュメントを読んでください

ソフトプルーフ

softproofing_gamutwarnings

自分の作品がCMYKに変換されるとどう見えるのかをプレビューすることができます。さらに「色域外」表示でどの色データが失われることになるのかも見ることができます。これはWoltheraのGoogle Summer of Code 2016の最初の成果となるものです!詳しくはドキュメントを見てください

対称描画ツールの改良

mirror tool enhancements

対称描画ツールに新しいオプションが追加されました。対称軸の位置を間違えて動かしてしまわないようロックできるようになりました。また描画中に間違えて動かしてしまった場合、対称軸を中央に戻すことができるようになっています。ドキュメントをご覧ください

二値化及びウェーブレット分解(ウェーブレットノイズ低減)フィルタの追加

wavelet_decompose

二値化フィルタ及びウェーブレット分解フィルタプラグインが追加されました。ウェーブレット分解フィルタプラグインはMiroslav Talasekによる開発です。(日本語翻訳チームより:誤ってWavelet Decomposeの訳がWavelet Noise Reducerの訳であるウェーブレットノイズ低減になってしまっています。次バージョン3.0.2では修正がなされます)

変形ツールへの回転・反転ボタンの追加

quick flip

自由変形ツールでレイヤーもしくは選択範囲を簡単に回転もしくは反転できるようになりました。これからは-100%と入力する必要はなくなります。反転は上下及び左右の反転ボタンが用意され、回転は時計回り及び反時計回りのボタンが用意されています。

ドッキングパネルの改良

histogram docker

ヒストグラムをレイヤーのメニューから新たに追加されたヒストグラムドッキングパネルに移動させました。これによりヒストグラムを常に表示させておくことが可能になります。キャンバスプレビュードッキングパネルの表示品質が大きく改良され、より見やすくなりました。チャンネルドッキングパネルにはサムネイルが表示されるようになります。これはEugene Ingermanの開発による成果です。ありがとうございます!

その他新機能・改良点

バグ修正

 ダウンロード

ダウンロードのページに行って新しいビルドを手に入れましょう。新しいバージョンをダウンロードしている間は、Achille氏がKritaのアニメーション機能を使って作った素晴らしい動画をご覧ください。

 

Windows

WindowsではKritaはWacom、Huion、Yiynovaのタブレット及びSurface Proシリーズのタブレットをサポートしています。ポータブルZIPファイル版は解凍してショートカットkritaをダブルクリックして起動してください。

Windows版KritaはWindows 7、Windows 8、Windows 10で動作が確認されています。32ビット版ビルドはベクトル化が無効になっているため、通常より動作が遅くなっている可能性があります。

デフォルトのテンプレートが表示されない既知の問題があります。これはパッチリリースで修正される予定です。

 

Linux

Linuxについてはあらゆる最近のLinuxディストリビューションで動作するはずのAppImage版を提供します。AppImageをダウンロードして、実行可能にして起動してください。インストールは必要ありません。現時点では64ビット版のみです。このappimageは実験的なデスクトップ統合を含んでいます。

また UbuntuのApp Storeからsnap formatでKritaを手に入れることもできます。このバージョンにはKrita自体への翻訳も含まれています。インストールは以下で行ってください

snap refresh --stable krita (if you've installed the beta) snap install krita (if not)

OSX及びMacOS

OSX版Kritaは3.1でフルサポートが実現される予定です。OSX版Krita 3.0にはまだ高速プレビューと高品質キャンバス表示が実装されていません。また画像のレンダリングの問題もあります―この問題はApple社が OpenGL互換性プロファイルのサポートを自社製品のディスプレイドライバとタッチパッドとタブレットのサポートの配布で打ち切ったことによるもので す。現在Krita開発はこれらの機能のOpenGL 3.0コアプロファイルを使用した再実装を行っています。今のところはOSX版Kritaを何らかの製作作業に使う際はOpenGLを無効にすることを 推奨します。OSX版Kritaは10.9、10.10、10.11で動作し、MacOSでも動くことが報告されています。

ソースコード

ソースコードのtarballは翻訳もすべて含んでいます。