Kritaの原点は1998年のLinux Kongressでのマティアス・エトリッヒにまでさかのぼります。マティアスは既存のアプリケーションをQtのGUIで動かすことが簡単であることを示そうとし、そのために彼が選んだアプリケーションがGIMPでした。彼のパッチは決してリリースされることはありませんでしたが、その当時GIMPのユーザーコミュニティに問題を引き起こしました。
共同作業の立場にはなかったことから、KDEプロジェクトの開発者たちは自分たち自身の画像編集アプリケーションの開発を開始することを決定しました。そのアプリケーションはKOfficeスイートの一部であり、マティアス・エトラー によって KImage と名付けられ、その後にKImageShopに改名されました。これがKritaの始まりでした。
1999年5月31日、KImageShopプロジェクトがミヒャエル・コッホのメール で公式に開始されました。その頃の基本的なアイディアは ImageMagickを包む形でKImageShopのGUIを作るというもので、GIMPのプラグイン(ちなみにこれもアウトプロセスです)と互換性のあるアウトプロセスのフィルタプラグインを持つCORBAベースのアプリケーションになるはずでした。ですがもちろん結局CORBAベースになることはなかったのです。
KImageShopという名前はドイツの商標法にひっかかり、KImageShopはKrayonに改名されました。これも既存の商標を侵害していることが判明するに至り、2002年、Krayonは最終的にKritaと改名されることになりました。
最初開発は低速なものでしたが、2003年から重点的な開発が行われ、2004年にKOffice 1.4で最初の公式リリースが行われました。2005年にKritaにCMYK、Lab、YCbCr、XYZ色モデルと高深度チャンネルのサポート、OpenGLのサポートが実装されました。
2004年から2009年にかけて、KritaはPhotoshopやGIMPのような一般的な画像操作/お絵描きアプリケーションとして重点的な開発が行われました。2009年から開発の焦点はお絵描きへと向けられます:KritaコミュニティはKritaを漫画家、イラストレーター、コンセプトアーティストのための最高のお絵描きアプリケーションにすることを目標としたのです。
2009年以降、KritaプロジェクトはGoogle Summer of Codeからの基金による開発に加え学生のアルバイトとしてKritaで開発を行う 基金コミュニティのメンバーを開始しました。この実験は結果として安定性とパフォーマンスに多大なる飛躍をもたらすこととなりました。
2013年、KritaコミュニティはKrita財団を創設し、開発へのさらなる支援を行うこととしました